納品伝票電子化ってナニ?第7回「納品伝票電子化にあたっての課題③:法的要件への対応」(全10回)

納品伝票の電子化において、法的要件への対応は非常に重要な課題です。納品伝票の電子化を進める際には、法的な規制や要件に適合しなければ、後々法的問題やトラブルを引き起こす可能性があります。日本における法的要件として、主に以下の点が問題となります。

  • 電子帳簿保存法(電帳法)
    1. 課題
      電子帳簿保存法は、企業が帳簿や伝票、領収書などの書類を電子データとして保存する場合に従うべき法的要件を定めています。この法律により、納品伝票を含む書類を電子化して保存する際には、以下の要件を満たさなければなりません。
      • 真実性の確保
        納品伝票の電子化により、伝票の内容が改ざんされていないことを証明する必要があります。具体的には、伝票データが保存された日時や、修正があった場合の履歴を記録しておくことが求められます。
      • 検索性の確保
        納品伝票は必要な場合に簡単に検索できる状態で保存する必要があります。例えば、取引先ごとや日付ごとにデータを検索できる機能が求められます。
      • 保存期間の遵守
        電子化された納品伝票は、法律で定められた保存期間に従って保存しなければなりません。通常、商法や税法に基づき、納品伝票は7年間の保存が義務付けられています。

        これらの要件を満たすためには、単に電子データとして保存するだけでは不十分で、適切な管理体制やシステムが必要となります。例えば、データが改ざんされていないことを証明するために、システム内でのアクセス権限や履歴管理の仕組みが求められます。
    2. 対策
      • 納品伝票の電子化システムの選定
        法的要件を満たすためには、適切な電子保存システムを導入する必要があります。これには、改ざん防止機能や検索機能、保存期限の管理が組み込まれているシステムを選ぶことが重要です。
        JIIMA認証を取得したソフトウェア、ソフトウェアサービスであれば、法令に準拠して適正に業務を行うことができます。
      • 内部監査体制の強化
        企業内で適切に電子データが保存されているか、定期的に監査を行い、法的要件を満たしていることを確認することが求められます。
  • プライバシー保護法(個人情報保護法)への対応
    1. 課題
      納品伝票には、企業の取引先や個人情報が含まれることがあります。これにより、個人情報保護法(個人情報保護法)への対応も求められます。電子化された納品伝票が個人情報を含む場合、その取り扱いや保存方法に対して厳格なルールが適用されます。
      • 情報漏洩のリスク
        電子データとして納品伝票を保存する場合、サーバーやネットワーク上でのセキュリティ対策が不十分だと、個人情報が漏洩するリスクがあります。
      • アクセス制限と管理体制
        個人情報が含まれる場合、そのデータにアクセスできる人を制限することが重要です。また、情報の取扱いについても明確なルールを定め、厳密に管理する必要があります。
    2. 対策
      • データの暗号化
        納品伝票を電子化する際、暗号化技術を用いてデータを保護することが必要です。これにより、情報漏洩のリスクを低減できます。
      • アクセス権限管理
        納品伝票にアクセスできる人物を適切に制限し、従業員や取引先の情報を管理する体制を整えることが求められます。特に個人情報を扱う場合、アクセス権限の管理は非常に重要です。
  • まとめ
    納品伝票の電子化には、法的要件への対応が欠かせません。特に電子帳簿保存法や個人情報保護法に基づく要件をしっかりと遵守し、適切なシステムを選定・導入することが重要です。また、電子化に伴って情報漏洩や法的リスクを回避するために、セキュリティ対策を強化し、監査体制を整えることが必要です。